食物感作について

食物アレルギーの合併したアトピー性皮膚炎(AD)の乳児は、しばしば離乳食開始前から食物アレルギー抗体IgEが陽性を示す。
経胎盤性感作と母乳感作が想定されていました。2008年Lackは食物抗原が経皮的に体に入れば感作され、経口摂取すれば、むしろ消化管で免疫力が上がり対応されます。

食物によるADの増悪

食物アレルギーが引き起こす症状として

1)非湿疹反応、すなわち痒み、じんましん、発赤。ないしは皮膚以外の腸、呼吸器、ショック。
2)湿疹反応
3)非湿疹・湿疹反応の混じったもの

ADの増悪は2)の湿疹反応に相当する。

実際の対応として

まずは通常のスキンケア、薬物療法や環境整備によるADの治療と適切な管理を行い、それでも症状が改善しない場合にはじめて食物アレルギーへの対応を行えばよいとされる。つまりアレルギー検査を施行した悪化要因となる食品を洗い出し、食物負荷試験を施行し因果関係を証明することです。

特に大事なことは

食物アレルギーの頻度は卵白>牛乳>小麦であるが、IgE(RAST)値が高くても実際に食物アレルギーがあるとは限らず、とくに小麦、大豆は偽陽性が多い。
年齢とともに耐性をもつことも特徴で、3才までに50%、小学校入学までに80%〜90%食べられるようになり、IgE(RAST)値も低下する。

朝比奈明彦著より
日本皮膚科学会雑誌 124巻:

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